日本の森林、今どうなってる?~知られざる現状と未来への取り組み~
山に囲まれた緑豊かな国、日本。私たちの国土の約3分の2は森林が占めていて、身近な自然として、あるいは遠い山の景色として、私たちの暮らしに彩りを与えてくれています。でも、この日本の森林が今、どんな状態になっているのか、詳しいことを知っている方は少ないかもしれません。
森林は、私たちにきれいな空気や水をもたらし、災害から国土を守ってくれる、かけがえのない存在です。しかし、実は今、日本の森林は手入れが行き届かず、様々な課題を抱えている場所が増えています。
この記事では、日本の森林が直面している「知られざる現状」と、その大切な森林を未来に繋いでいくために、国や地域、そして人々がどのような「取り組み」を行っているのかを、分かりやすくお伝えします。読み終わる頃には、きっと日本の森林を見る目が変わるはずですよ。
緑豊かな日本!まずは知っておきたい「日本の森林」の基本
日本の森林のすごいところは、何といってもその面積の広さ! 国土の約67%が森林で、これは世界でも有数の「森林国」なんです。そして、日本の森林には、大きく分けて二つのタイプがあります。
- 天然林: 自然に育った、様々な種類の木々が混じり合ってできた森林です。豊かな生態系を育んでいます。
- 人工林: 人の手によって、特定の種類の木(スギやヒノキなど)を植えて育てた森林です。戦後、建築資材などを確保するためにたくさん造られました。
日本の森林の約4割は人工林です。そして、この人工林が今、一つの大きな転換期を迎えています。
実は今、大変?日本の森林が抱える「課題」
戦後にたくさん植えられた人工林の多くは、木材として使える大きさに育っています。本来であれば、適切に伐採して利用し、また新しく木を植える、というサイクルを繰り返すことで、森林は健康に保たれます。しかし、様々な理由から、そのサイクルがうまくいかなくなっている場所が増えています。
- 手入れ不足による森林の荒廃: 木が密に生えすぎて、下に日が当たらず、地面に草木が生えにくくなったり、木の根がしっかり張らなかったりする森林が増えています。このような森は、雨水を貯める力が弱く、土砂災害のリスクが高まることもあります。
- 林業の担い手不足と高齢化: 森林での作業は体力的にも大変で、危険も伴います。林業に携わる人が減り、高齢化が進んでいるため、手入れが必要な森林があっても、なかなか手がつけられない状況があります。
- 森林所有者が分からない問題: 代々引き継がれてきた森林の所有者が、相続などを繰り返すうちに分からなくなってしまうケースが増えています。所有者が分からないと、森林の手入れや管理を進めるのが難しくなります。
- 獣害の増加: 鹿や猪といった野生動物による食害が増えていて、植えたばかりの苗木が食べられてしまったり、農作物に被害が出たりしています。
手入れをしないとどうなるの?私たちの暮らしへの影響
森林の手入れが行き届かなくなると、私たちの暮らしにも様々な影響が出てきます。
- 災害リスクの増加: 根がしっかり張っていない森林は、大雨の時に土砂崩れを起こしやすくなります。
- 水資源への影響: 雨水をゆっくりと貯め、きれいな水にする森林の機能が低下する可能性があります。
- 地球温暖化対策への影響: 元気のない森林は、二酸化炭素を吸収する力が弱まってしまいます。
- 生き物たちの住む場所が減る: 特定の種類の木ばかりで、下に光が届かない森は、様々な生き物が暮らしにくくなってしまいます。
未来へ繋ぐ!日本の森林を守り育てる「取り組み」
このような課題に対し、国や地域、そして林業関係者をはじめとする様々な人々が、日本の森林を守り、未来に繋いでいくための取り組みを進めています。
- 林業の新しいカタチ:スマート林業: ドローンを使って森林を調査したり、ICT(情報通信技術)を活用して効率的に作業を進めたりと、新しい技術を取り入れた「スマート林業」が進められています。これは、林業の省力化や安全性の向上に繋がり、若い世代の担い手確保にも期待が寄せられています。
- 木材を活かす:利用の促進: 伐期を迎えた木を適切に伐採し、建築材や家具、紙などの製品として利用することは、森林の若返りに繋がります。国産材や地域材を積極的に使うことや、木に触れ合い親しむ「木育」なども進められています。
- みんなで支える仕組み:森林環境税・譲与税: 森林整備に必要な財源を安定的に確保するために創設されたのが、森林環境税・譲与税です。私たち一人ひとりが負担するこの税金が、各地域での森林を守り育てるための様々な活動に使われています。(詳細は前回の記事も参考にしてくださいね!)
- 森林を守り育てる人々: 林業に従事する方々はもちろん、森林組合や、林野庁の職員(森林官など)、研究者、そしてボランティアとして森林整備に参加する人々など、多くの人々が日本の森林のために日々活動しています。
私たち一人ひとりができること:森林の未来のために
日本の森林の現状や課題、そして取り組みについて知ることは、森林の未来を考える上でとても大切な一歩です。そして、私たち一人ひとりが、森林の未来のためにできることもあります。
- 国産材を使った製品を選んでみる: 家を建てる時や、家具・雑貨などを買う時に、国産材や地域材を使ったものを選ぶように意識するだけでも、日本の森林を守ることに繋がります。
- 森林に親しみ、関心を持つ: 近くの森を散策してみたり、森林セラピーに参加してみたりと、実際に森林に触れてみることで、森林の大切さをより身近に感じられます。
- 森林に関するイベントに参加する: 植樹イベントや森林教室など、様々なイベントが開催されています。こうした機会に参加して、森林について学んだり、活動に参加したりするのも良いでしょう。
- 森林環境税について知り、その使われ方に関心を持つ: 自分が払っている税金がどのように使われているのかを知ることで、森林を守る活動を身近に感じられます。
- 山村地域の活性化を応援する: 林業が盛んな山村地域の特産品を購入したり、観光で訪れたりすることも、森林を守り育てる地域を応援することに繋がります。
まとめ:みんなで力を合わせて、豊かな森林を未来へ
日本の森林は今、様々な課題を抱えつつも、未来に向けて新しい技術やアイデアを取り入れながら、その恵みを守り育てる取り組みが進められています。
森林は、単なる木々の集まりではなく、私たちの暮らしや環境にとって、なくてはならない存在です。そして、その森林の未来は、林業に携わる人々だけでなく、私たち一人ひとりの関心と行動にかかっています。
日本の森林の現状を知り、その大切さを理解すること。そして、できることから少しずつ、森林と私たちの暮らしを繋げる行動を始めてみること。それが、豊かな森林を未来に繋いでいくための、大切な一歩となるはずです。みんなで力を合わせて、美しい日本の森林を未来へ引き継いでいきましょう。